「無料」があふれているインターネット
インターネットには無料で使えるサービスであふれています。今、見ていただいてるWEBページの閲覧はもちろん無料ですし、メールもSNSも動画も、多くが無償で楽しめます。「日常的にインターネットの利用はするが、(通信費以外は)お金を使った覚えがない」という方も少なくないのではないでしょうか。有料で充実したサービスが数多くありつつ、無課金でも十分に活用できるのがインターネットのすばらしさです。
様々なサービスを無料で提供してくれる運営側への対価は、巧みに差し込んだバナー広告から得ていたり、お試しとして無料提供してから有料プランへ誘導するビジネスモデルだったりします。うまく経営できているところもある一方、サービス継続を断念しているものも少なくありません。
今、消えつつある無料サービス
1990年代後半のインターネットが普及し始めた頃から、個人ホームページ開設ブームを支えたホームページ開設サービスや、手軽に電子メールアドレスが取得できるフリーメールサービスは人気でした。ですが、最近になって停止するものが相次いでいます。無料ホームページサービスの最大手であったYahoo!ジオシティーズは2019年3月末で終了してしまい、数百万ともいわれるサイトが消失しました。フリーメールではネット黎明期から人気のあったエキサイトメール(私も昔お世話になりました)が、2018年9月で終了しています。いずれも、20年を超えて運営されていた老舗です。その他にも、SNS、メーリングリスト、グループウェアといったものが次々と終了しています。
停止になったものは、必ずしも利用者が少ないから、という訳ではないようです。当方のお客様からも、現役で活用していた無料サービスが廃止されるので困っている、という相談を受けたりします。その場合は無料の類似サービスがあってもお勧めせず、リーズナブルな有償サービスを提案しています。
無償代替サービスがあっても避ける理由は、ひとつの無償サービスの停止の発生が、そのサービスの将来性と収益ラインに「答えが出た」ことを意味するからです。実際の運営を通じて否定的な判断がどこかで下されれば、当然、追従するところもでるでしょう。需要があるならば、バランスの取れた料金体系のものが残るはずなので、それらから選ぶのが妥当です。(一社の寡占が進んだ結果の淘汰であれば、その限りではありません。もっとも、その場合には相談を受けるまでもないでしょうが…)
妥当なサービスが見つからず、それでも継続して使いたい場合は、思い切って自社で構築するのも場合によってはありです。ただし、コストは相応にかかります。
「無料」「有料」よりも「借りてるもの」という意識を
コンピュータソフトウェアの価値は、有償と無償で価値の優劣が付けづらいので判断の難しいところがあります。これはインターネットでもそのまま当てはまります。インターネット上のサービスは、営利企業の管理下にあるものと、それ以外のものとで使い分けが重要になってきます。これについては、また別の機会に書こうと思います。